2021年 05月 23日
ソウルフード2
母の病院付き添い、介護、雑用で2か月に1度、1週間、実家に帰る。
妹との交代制。
生活の軸足が定まらない感はあるけど、これはこれでいいのかな、と近頃は思うようになった。
諦めの境地とも言うか。
そんな帰省の楽しみは、これ。
漁港で食べる生シラス。
母と二人、潮風に吹かれながら食す赤富士丼は
とても美味しい。
こんなものを当たり前に食べて育ったんだなあ、アタシは。
母も『やっぱり美味しいねえ』と言いながら満面の笑顔で食べる。
記憶が飛びつつある母だが、ソウルフードだけは忘れないらしい。
体に、胃に、染み込んでいるんだろう。
『アタシはマグロとアジとシラスがあればいい』
と言う。
『じゃあ、最後の晩餐はマグロシラス丼だね』
と言うと
『アタシは未だ未だ死なないよ』
と笑う88歳。
人間って逞しいな、と思う瞬間。
老いた母を可愛いなと思う瞬間。
色々あるけど、しんどい時もあるけど
この環境を、この笑顔を守ってあげようと思う。
もうすぐ3歳になる孫の好物もマグロとシラスとアジと柑橘類だと言う。
仙台に育つ子が何言うんだかと思いつつ、うふふ。
DNAって凄いな。
近年不漁が続いた駿河湾のシラス漁も、少し取り戻しつつあるようで嬉しい。
もちろん孫にも送る。
今年は桜海老も解禁だと言うし、来月は由比だな。
#
by bera-sakuraebi
| 2021-05-23 10:20
| 旨しもの
|
Comments(2)