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2013年 11月 06日 *
桐野夏生「ハピネス」


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今、夢中になって読んでいる本です。

これがとても面白い。久々のヒット!

でもって、さくっとストーリーです。

有紗は三歳の娘花菜と二人で都心のベイエリア、タワーマンションに暮らす。

住む階、方角、日当りまで、収入によって何かと差別化されるタワマンであるが

そこの住人であることは一種のステータスでもあるのだ。

ここで専業主婦として子育てをする。

それが彼女の夢だった。

例え打算から始まった結婚生活であったとしても。



そんな憧れのタワマン暮らしではあるが、決して居心地の良いものではなかった。

おしゃれなママたちのグループに入るが、隠していることがいくつもあった。

うーん、美雨ちゃんママがキーポイントかな?



昨晩から読み始めて未だ半分だけど、グイグイ引き込まれています。

ど・ストライク!

以前読んだ角田光代さんの「森に眠る魚」によく似たストーリーではあるが

そこは桐野さん。毒性アリ、要注意。

一波乱、二波乱・・・どんでん返しまでありそうだ。

それにしても、高層階はダメだ。やっぱり住めない。

ワタシは三階以上には住めない、無理。

住む予定もないが。

宙に浮いた状態で、平常心で子育てなんて出来そうもないや。

大体子育てなんて、オサレなもんじゃないし。

子供はファッションじゃないからね。

それにしても高層階で育った子供って、どんな大人になるんだろう?

ちょっと怖い。ああ、やっぱりダメだ。

地面に足が付いてなきゃイヤだとつくづく思った、色々な意味で。



さ、今夜もとっととベッドへGO!












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by bera-sakuraebi | 2013-11-06 19:49 | | Comments(0) *
2011年 11月 12日 *
ズビビビビ・・・

ゲホゲホゲホ・・・

発熱、悪寒、胃腸障害、気管支炎まで併発して

こんなに本格的な風邪をひき込んだのは、果たして何年ぶりだろう?

ヒッキー生活も、かれこれ2週間になります。

思いもかけず毎朝順調に減っている体重、体脂肪だけが

今現在のお楽しみだったりする(ウシシ)



風邪は何と言っても安静第一。

基本布団の中で

一日ゴロゴロしているわけでありますが、退屈窮屈極まりない。

この無聊を慰めるためには、やっぱり活字の虫になることだったりするわけで。

おでこに熱さまシートなど貼りながら、おもむろに老眼鏡など取り出して

東野圭吾、あさのあつこ、島尾敏雄、綾辻行人、宮部みゆきから

「家庭の方位」とか「運のいい間取り」などの建築関係まで

無節操、乱読もいいところ。



でもって、ここでいきなり活字の弊害に陥ってしまったのであります。

思わぬところで足をとられてしまった。

桐野夏生に見事絡め捕られてしまったのであるよ。

その一冊とは、放浪の作家・林芙美子を書いた『ナニカアル』。



それがナンで「弊害」かっつーと

この後、何を読んでも誰を読んでも面白くない。

知らず知らずのうちに、活字が目を、頭をスルーしてしまうといふ

困った現象が起きてしまったのであります(とほほ)



桐野さんと言えば、「毒」、「悪意」、「読者置き去り」など

つまり、読後感が実によろしくない作品が多いわけで。

そんなところが好きだったりするわけで。

ま、常に平凡を生きている身としては

たまには「お化け屋敷」も覗きたいなとか

自分を損ねることなく、異空間、未体験ゾーンへ旅したいなとか、そんな感覚(^^)



この『ナニカアル』も、そんなところだろうと思って読み始めたら

これがアナタ、存外いいのよ、まともなの。

相変わらず「爽やか」とか「優しさ」とか「甘さ」とかとは無縁なのだけれど

膨大な資料に裏打ちされた林芙美子のある時期を

まるで、林芙美子自身が書いているかのように描いているの。

もちろん、内容は桐野さんによる創作なんだけど

「もしかして・・・?」

って思わせるような会心の出来。

あまり得意じゃなかった林芙美子が、一気に身近に来た気がしました。

これぞ、桐野マジック。

しばらくは、逃れられそうもありません。



再び熱が上がりそう・・・(ゲホゲホ)

『ナニカアル』の内容をざっとまとめておきますね?
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by bera-sakuraebi | 2011-11-12 15:32 | | Comments(12) *
2011年 10月 27日 *
こないだ桐野夏生の『IN』を読了したんですけど

いつものようにすっかりやられて参っちゃった。

分かってたんだけどね、止められないの桐野さん。



『IN』は『OUT』の対極。

小説の中に小説が入ってるって趣向なんですけど

これが、昔読んですっかり滅入った島尾敏夫の『死の棘』だったりするわけで

『IN』の主人公タマキ共々、出口の見えない活字地獄をグルグル。

お陰で、またまた引っ張り出して読み返してしまったじゃないか>『死の棘』

こんな家庭、い~や~だ~ぁ。

う゛~、もたれる(-゛-)

作家とは、つくづく業の深い職業であるな。



両冊を、ジリジリ焙られるように読み終わったと思ったら

よせばいいのに、次は東野圭吾『殺人の門』に突入。

これがまた陰々滅滅としたストーリー展開に救いようのない登場人物ばかりで

ページをめくるごとにイラっと来る、ムカっと来る。

倉持の底意地の悪さと、主人公の学習能力の無さに呆れた。

そして、男たちの庇護欲をかき立ててやまない由紀子さん。

一昔前の少女漫画の主人公のようなお方で

庇護欲をかき立てない自信があるワタクシとしては、うんざり。

東野さんの作品に多く出て来るのよね、こゆ女性。

ちょっと苦手。

ストレス溜まる、思考が止まる・・・。

なのに手だけが止まらない。

実に体によろしくない。



『IN』、『死の棘』、『殺人の門』3冊共、一人として感情移入出来る人物がいなくて

どっちかっつーと、絶対お知り合いにはなりたくない人ばかりで

はぁ~~っとため息つきつつ、ズルズル引きずり込まれてしまったのであります。

割と引きずられるタイプ・・・σ( ̄。 ̄;



でもってお口直しは、父ちゃんの京都土産『栗阿弥』

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妹イチオシで、和風マロングラッセって感じどす。

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美味でごじゃいます~ぅ♪



・・・などつまみながら、宮部みゆきの『おまえさん 上・下』を読みます。

『ぼんくら』、『日暮らし』に続く三部作で

書きおろしからいきなり文庫とは、いとうれし(喜)

おおきに、宮部さん。

もったいなくて楽しくて、何度も行ったり来たりしながらちびちび読んで

登場人物一人一人に、どっぷり感情移入しております(*^^*)

お菜屋お徳さんの威勢のいい声と共に

髪結い浅次郎さんのオネェっぷりが、目に浮かぶよう。

そしてルーキー間島さまの金壺眼と十手術にうっとりです。

本宮のおじいちゃまもいい味出してる。

もう、おとく屋の2階に居候したいっ!

つーことで、めくるめく活字の世界に遊ぶ日々(笑)



宮部さんの江戸シリーズ、やっぱりしみじみ、いいねぇ♪♪

おまえさんも、読んでおくれな。








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by bera-sakuraebi | 2011-10-27 17:37 | | Comments(15) *
2011年 09月 21日 *
宮部さんの作品はどれも好きですが

中でも江戸シリーズは秀逸。

「ぼんくらシリーズ」をはじめ「霊験お初ものがたり」など

ほんのり後引く味わいがたまりません。

政五郎親分とおかみさんの関係がさり気なくていいなぁと思ったり。

屋台のおやじが作るちょっとした創作料理がまた美味しそうで

夜中はちょっとばかりデンジャラス。

もっと読みたい、もっともっととキリがない。

読みたい地獄エンドレス^^;



でもって欲しかった『ばんば憑き』をゲト。

eブックオフは町のブッ●オフより全然安いのでご贔屓です。

ちなみにこちら1500円以上のお買いもので送料無料。

新刊がとても早く安く出回るので人気です。

欲しい品物がない時はオーダーしておくとお知らせメールが届きます。

今回は桐野さんの『IN』とか東野さんの『殺人の門』とか

あさのさんの『燦(1)』とか色々。

1冊平均230円~500円ほどなのでスタバでコーヒー飲んだと思って大人買い。

ポイントも溜まります。

いつもどれもキレイな状態で梱包も丁寧なのでお気に入りのショップです。

『ばんば憑き』はハードカバーでほぼ新品。

どこがユーズドなんだ?・・・と裏返しひっくり返ししちゃったほどキレイでした。

宮部さんの作品は手元に置いて読み返したいものが多いので

いい状態のものをお得に手に入れたいなら、今のところこちらがベター。

泣きたいときは『孤宿の人』でひと絞り(;▽;)



その『ばんば憑き』

表題作『ばんば憑き』を含む珠玉の6編、怪談時代物短編集です。

中身は正価通り、いやそれ以上の充実感。

どの作品も、ぞわりとして不思議で切なくて温かくて

色んなものがぎゅうぎゅう詰まって、お得感いーーっぱい。

例えば、デパートのお中元商品ばら売りセールで買った

ちょっと上等なお醤油とかコーヒーとかあれとかこれとか?

間違いなく美味しいように外れなし。

ユーズド、ハンパもの、バンザーイ♪♪ヽ( ̄ ̄∇ ̄ ̄)ノ



さすが宮部さん、老舗ですね。

安定した筆力にグイグイ引っ張られて

あっとゆーまに読み終わっちゃいました。

一番好きなのは『「博打眼』かな?

「ふんじごばってんだが」

って、狛犬さんの言葉が耳について離れません。

「ふんじごばってんだよー」(笑)




勿体なくて最後の1編はちびちび読みました。








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by bera-sakuraebi | 2011-09-21 18:40 | | Comments(6) *
2011年 05月 23日 *
高校生の頃、司馬遼太郎の「龍馬がゆく」を読んで以来龍馬ファン。

幕末の風雲児坂本龍馬に魅せられない人はいないだろう。

あの時代にあって何ものにも捕らわれず自由闊達。

視線の先には大海原、さらにその先にある大きな世界を夢みて生きた男は

あまりにも大きく、あまりにも眩しい。

よくこれほどの人物が現われたものだと思う。

33年の短い生涯がこれほど惜しいと思われる男は、まずいない。

その側で生きた妻おりょうは終生彼の影に縛られることになる。



「波枕~おりょう秘抄~」(鳥越碧・講談社)



公家のお抱え医師楢崎某の長女として生まれたおりょうは

京の町で噂になるほどの美人。

気性が激しく好き嫌いがはっきりしているが

反面呑気な部分もありものごとを深く考えない傾向がある。

目先のことしか見えない人だったらしい。

ちなみに龍馬の事業や仕事には全く興味が無く

明治政府から知らされるまでその業績を知らずにいたという。



土佐藩士佐々木高行は彼女のことを

「有名なる美人なれども、賢婦人なるや否やは知らず。

善悪ともに兼ぬるように思われたり」と評している。

義弟菅野覚兵衛にまで

「品行が悪く、意見をしても聞き入れないので面倒はみられない」

と拒否されたというから始末に負えない。

おりょうは腹の底から親切だったのは西郷と勝

そして寺田屋のお登勢だけだったと語っている(wikiより)



龍馬が愛した海援隊隊士たちの評判も悪く

その死後預けられた坂本家からも素行不良で見放され離縁されます。

(つか、その前に坂本家では彼女を龍馬の妻として認めていなかった)

食いつめてかつての同志や、海援隊隊士らを頼って上京するもことごとく嫌われ

ついには苦界に身を沈めてやっと生きていたところを

大道商人西村松兵衛に見染められて再婚。

横須賀の貧乏長屋で暮らした。

晩年はアルコール依存症になり

酔っては優しい松兵衛に「私は龍馬の妻や!」と絡んだという。



龍馬と生きた3年間がおりょうにとっての全てだったのだろう。

寺田屋事件、日本初の新婚旅行

薩摩、長崎、長州と転々としながらどこへ行っても客人扱い。

夫の人徳で丁重なもてなしを受ける。

ハラハラドキドキ、根なし草のようではあっても

それはキラキラと眩しい日々だったに違いない。

それに引き換え龍馬亡き後の人生の何と寒々しいことよ。

気の毒を通り越して悲しい。

それほどのプライドがあるなら

もっとシャンと矜持をもって生きられなかったものかと思う。




私は前からこのおりょうという人が好きではない(阿井景子『龍馬の妻』)

龍馬にふさわしいとは思えない。

何で彼がこの人を妻にしたのか分からない。

面白がっていたという点は分かる。

新しいもの好きだからね。

でも妻にするなら千葉さな子の方が全然いい。

それまでの龍馬の女性の趣味はよかったのに。

やっぱり見た眼の美しさ?(男ってイヤね?)

実際のさな子さんも写真で見るとかなり美人ですよ。

評判も良かったらしいし。



おりょうさんの何が嫌いって、夫松兵衛に優しくないこと、邪険にすること。

何かというと龍馬と比べることですね。

あの男と比べて適う人なんか、どこにもいないって。

そんなに忘れられないなら再婚なんかするなっつーの。

松兵衛さんに失礼だべ?

でもって龍馬の実家を、兄夫婦を悪しざまに言っている点がさらにヤだ。

あれだけの人物を育んだ家だ。

こよなく愛した家族だ。

豪商才谷家の分家だ。

意地悪だったりするはずがない。

金銭を惜しむようなケチな家のはずがないでしょう。

松兵衛さんにも坂本家にも

どちらにも散々世話になっておきながら恩を仇で返してますよ、この人。



そして千葉さな子への誹謗中傷。

龍馬がさな子のことを頻繁に口にしたらしいから、それは間違いなく嫉妬。

土佐の坂本家でもこちらを龍馬の正式な妻としたかったようです。

気持ちは分からなくもないけど

会ったこともない人の悪口を、世間に大っぴらに言っちゃダメじゃんね?

そゆのは胸の奥深くに沈めてこっそり吐かなきゃね、身内にでも。

龍馬も龍馬だよ。

乙女姉さんへの手紙であれほどさな子を絶賛していたのに

何でこの人だったんでしょ?



私は思う。

あの坂本家で乙女姉さんの手で育てられたよばったれの龍馬の本質は

革新に憧れつつ実は保守的だったんじゃなかろうか、と。

特に家庭内のことにおいては。

外に向かって開けば開くほど内は落ち着きたいものなんじゃないだろうか?

彼の理想の女性は

乙女姉さんのように男に負けないくらいの腕っ節と胆力を持ちながら

武家の妻女としてのたしなみを身に付け

弁えを知っている人だったんじゃないかと思うのであります。

おりょうのように夫の仕事を知ろうともせず常に纏わり付き

気に入らなければ癇癪を起こし人前でも平気で夫を罵倒するなんて言語道断。

今の時代でもお断り。鬱陶しい。

理想の妻からははるかにかけ離れていたはずだ。

夫の人望=自分への賞賛だと勘違いし

身の程知らずにも権高になれば誰だって毛嫌いする。

さすがの英雄も「しくじったか?」と思ったことがあったんじゃないか?

おりょうは龍馬の理想の女性像では、ない。

愛人としては面白いだろうが、妻には向かないと思います。




多分あの時暗殺されずに明治の世まで生きていたら

彼女は離婚されたか、あるいは出奔されて放置されただろうと想像する。

もしかしたら青い目の美女と海の彼方で暮らしたかも?

あ、そだ!絶対そーだと思う!

生きていたら龍馬の妻は外人サンだ!

子供はハーフってことで。



異国の地で自由に生きるRyoma Sakamoto.

その傍らには青い目の楚々とした妻と

キラキラした瞳で海の向こうを見つめるバラ色の頬をした子供がいたはずだ。

見たかったなぁ、坂本龍馬の子孫(* ̄▽ ̄*)



南方仁!

何とか龍馬を助けてよ(笑)





本日の値(通常=0.05μSv/h)

【5月22日 15:00現在:0.16μSv/h】








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by bera-sakuraebi | 2011-05-23 10:55 | | Comments(12) *
2011年 05月 22日 *
今年の連休は那須へ行ったり地元の温泉に行ったりお祭りに繰り出したり

安近短で楽しみました。



そんな中、食べることも忘れて(ウソ)夢中で読んだのが

「ブーリン家の姉妹 上・下」(フィリッパ・グレゴリー:集英社文庫)

映画にもなった原作です。

エリザベス1世の生母アン・ブーリンの生涯が妹メアリーの視点で語られるストーリーは

欲とエゴがこれでもかというほど描かれていてあまりにもエグい。

蝋燭の灯りの下、密やかに張り巡らされる陰謀と誘惑が

蜘蛛の糸のように読者を絡め取って目が離せません。

ほら、薄暗がりのあそこにも、ここにも、蠢き合い絡み合う影が・・・。

英国王室最大のスキャンダル!(パパラッチ風に)

チャールズ皇太子とカミラ夫人なんて全然可愛いもんですわ。



時は16世紀イングランド。

新興貴族ブーリン家の姉妹アンとメアリーは

国王ヘンリー8世の妻キャサリン・オブ・アラゴン(スペイン王女)の侍女として

宮廷に上がりその美しさから人々の目を惹く存在となる。

当時の貴族にとって娘は立身出世への駒のひとつでしかなく

絶対君主のベッドに上がることは宮廷における輝かしい職業のひとつとみなされていた。

即ち王専属の娼婦。

王の寵愛を勝ち取ること、それが一族発展への道なのである。

たとえ人妻であっても王が望めば夫たるもの喜んで差し出さなければならず

その大きな報酬の代償もまた大きい。

平安時代にも藤原氏によって同じようなことが行われていましたね?

平清盛しかりです。

いつの世もどこの国でも

政治の裏側には色と欲がべったり貼り付いているようです( ̄w ̄)



華やかな娼婦たちが蝶のように舞い踊り夜毎繰り広げられる宴と

甘ったるい砂糖菓子のような日々の中で

ブーリン家の姉妹は王の目を釘付けにします。

ヘンリーを巡って激しくぶつかり合う姉妹。

最初に目に止まったのは妹メアリーでした。しかも人妻。

青い目とブロンドの髪、ふくよかで優しい気質のメアリーは

ヘンリーに愛され娘と息子を産みます。

しかし彼女の中に芽生え始めた母性は

王の豪華なベッドより

田舎の城の小さな子供部屋に眠る子供たちのそばにいることを望み始めます。



そこに衝け入ったのがアン・ブーリン!(再度パパラッチ風に)

漆黒の瞳と黒い髪、輝く美貌と溢れんばかりの知性で

たちまち王を虜にしたアンは、その激しい気性で絶対君主を翻弄し始めます。

華奢な体で軽やかに踊り、コケティッシュに笑い、ウィットに富んだ会話をするアンから

一時も目を離せないヘンリー。

ヘンリーを惹きつけつつも求愛を逸らし続けるアン。

彼女にはある野心がありました。

それは娼婦ではなく彼の正式な妻になること。王妃になること。



アンを手に入れたい一心の王は長年連れ添った貞淑な妻キャサリンと離婚しようとします。

私的には、物語中この人が一番好き。

が、当時ヨーロッパ各国の王室の結婚、離婚にはローマ教皇の許しがなければならず

キャサリンもまた離婚に応じようとはしませんでした。

そこで苦肉のウルトラC!

考え出したのがローマ教皇庁との決別です。

すったもんだの挙句ここに王を頂点とする英国国教会が誕生する。

以後イングランドの教会は全て王の支配下に置かれることとなり

その財産を思うままにし

自身の結婚離婚もそのの意思で行うことが出来るようになるのであります。



ついに王妃に上り詰めたアン(ヤッホ~♪)

煌びやかにわが世の春を謳歌し始めるが、そこにはある大きな苦悩がありました。

それは王子誕生。

当時の王室には庶子は嫡子として認めないという法律があり

それによるとメアリーとの間に儲けた男児、女児

及びその前に侍女との間に出来た男児は王位を継げない。

唯一の正統は数々の流産死産を繰り返したキャサリンとの間にやっと生まれた

メアリー王女一人だけ。

王子を切望するヘンリーにとって身勝手ではあるが

それが今回の離婚理由のひとつにもなっている。

ここは何としても男児を産んで自分の地位を確固たるものにしたいアンなのであった。

が、彼女もまたエリザベス王女を授かった後、同じく流産、死産を繰り返します。

今風に言うなら、ヘンリーにはぜひ男性不妊治療を受けて頂きたい。

染色体異常が疑われるよ?



王の気持ちが離れ始める中、ジェーン・シーモアの影に怯えつつ

思いつめたアンは、ついに手を出してはいけない領域に踏み込んでしまいます。

ここから先は事実かどうか、当人たちがこの世に不在なので定かではないが

歴史の上では健康な子種を求めて不倫を繰り返し

果ては兄ジョージとの近親相姦で妊娠、出産するも異常児を死産するアン。

それらは虚実混ぜて王の知るところとなり

結果罪人としてロンドン塔へ幽閉されてしまうアンなのでありました。



メアリーは思う。

「長年に及ぶ競争意識、強いられた和合、そしてつねに、なにかあれば深まった愛情

相手が勝つに違いないという気持ち。

そういった諸々の思いを、ひと言で言い表わせるわけがない。

彼女がジョージを道連れにここまできてしまったいまでも、愛していること、

彼女の妹でよかったと思っていることを、ひと言で言い表わせるわけがない。

彼女がわたしたちにした仕打ちを許せるわけがないと思いながら、

彼女のすべてを理解しているとおもっていることを、

ひと言で言い表わせるわけがない」と。

でも結局口にした言葉は

「彼女を思っていると。いつも。毎日。いままでも。これからも」



そして王妃は断頭台へ・・・。



読み終わった後、何がいいとか悪いとかではなく、もちろん勧善懲悪でもなく

混沌とした時代自分の位置さえ見つけられない中で必死に生きる女たちの

愚かで嫌らしいドロドロした世界を健気とさえ思いました。

一途に目的に向かって、

自分の居場所を確保しようと突っ走ったアンがいじらしかった。

今の時代に生きていたら、きっとのし上がって成功したと思われます。

そして、妹たちを一生懸命守って愛したジョージが好きでした。



↓映画「ブーリン家の姉妹」

原作とはちょっとズレがあるかも?(仕方ないか)








本日の値(通常=0.05μSv/h)

【5月22日 15:00現在:0.16μSv/h】







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by bera-sakuraebi | 2011-05-22 16:38 | | Comments(2) *
2011年 02月 22日 *
ずっと前に一度読んだけど、こちらを見たらまた読みたくなって再読。

「八日目の蝉」(角田光代)

長いです(笑)



裁判記録を読むのが好きと言う角田さんの作品は

「森に眠る魚」同様、実際の事件をモチーフにしたものが多い。

「八日目の蝉」は日野OL不倫放火殺人事件がベースになっていると思われます。

不倫の果ての妊娠、中絶。

不倫相手の幼い子どもに執着する点などなど。

そこから先は角田ワールド。

何度読んでも泣けて泣けて胸がキュン。

イッキ読み間違いなしです。読むならたっぷり時間がある時に。



物語は、不倫の末に妊娠し不本意ながら堕胎。

二度と子供を抱くことが出来なくなった希和子が不倫相手の子どもを誘拐

逃亡するところから始まります。



逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか。



希和子にとってその子はかつて彼女が望みつつも失った子供。

どうしても取り戻したかった我が子だった。

この湿った温かさ、柔らかさ、そして重さ。

犯罪であると分かっていても、手放すことはもう出来ない。



友人の家を出た後、名古屋で声をかけられた老女に付いて行くと

そこは生活の匂いがない空き家のような家だった。

米も醤油も何もない。

作者は言う。

米を買う、醤油を買うということは明日もそこで暮らすという保証であると。

ドキッとした。

当たり前のように米を買い、醤油を買い、あれもこれもと欲張って

さらに足りないものを数える自分の愚かさを、まるで見透かされたような気持ちになった。

迷いながら小さな醤油の瓶を買い、あれこれ買って片手に薫を抱きながら

片手にスーパーの袋の重みをうれしいと思う希和子が健気でいじらしくてたまらない。

ページをめくりながら、少しの間でいいから喜和子と薫に静かな時間を与えて。

誰も来ないでと願う。

ところが思わぬところから追手の影が忍び寄り・・・。



次に逃げ込んだのはエンジェルホームという外界から隔離されたコミュニティ。

そこで二人は二年もの時を過ごす。



またもや逃げなきゃならないはめに・・・。



次に向かったのはホームで一緒だった久美の実家がある小豆島。

瀬戸内の穏やかな海のそばで優しい島の人たちに支えられて

束の間二人は凪ぎのような時間を過ごします。

どうかこの生活が守られますように。

いつまでも続きますようにと祈りにも似た思いでページをめくる深夜3時。

別れは突然やって来る。

読みながら「逃げて。捕まらないで」と願う自分がいた。



そして第二章。

実の両親のもとに戻された恵理菜(=薫)は自分の居場所を見つけられずにいた。

父と母も戸惑っていた。

冷え冷えとした空気、片付けられない部屋、

家族でありながらとても家庭とは言えないような場所で

光り輝く海と緑の島を思いながら

希和子を恨み、全てを希和子のせいにすることで現実を生きようとする恵理菜。

そんな彼女の痛みを軸に

かつてエンジェルホームで一緒だったマロンこと千草の助けを借りながら

あの事件と向き合い始める。

そして自分は輝く海に囲まれた緑のあの島で

優しかった母、希和子と一緒に暮らしたかったのだと思う。

さらに実母もまた悲しいほど母だったことに気付く。

懐かしい島へ渡るフェリー乗り場で、腹に不倫の結果の子の胎動を感じながら。



ひな鳥は一番最初に目にしたものを親鳥と思い込むという。

刷り込みである。

薫がまさにそれだった。

物ごころが付く前に一番愛情を注いで育ててくれたものを親と認めるのは

人間や鳥に限ったことじゃなく、例えば犬が猫を育てたりという話も聞く。

それをある日突然引き離されて、はいこれが本当の親ですよと違う場所に移されたって

納得出来るわけがない。

動物に至っては自分の子と認められず殺してしまうものもいるという。

まして薫は希和子の暖かな羽の下、献身的な愛を惜しみなく注がれて育ったのだ。

希和子は薫のためだけに生きていた。

お金も名前も何もかも、薫と一緒に居るために持っているもの全てを捨てたのだ。

薫と一緒に居られるなら犯罪者にだってなれた。

頭の中も心の内も、いつだって薫でいっぱい。

その姿は聖母マリアのようだと思う。

なのに突然引き離されて戻された実の親はネグレクトのようだった。

薫の戸惑いを思うと胸が痛む。

そして希和子が腹を痛めたわけでもない薫を

どれほど細やかに大切に心をこめて育てたか、慈しんだか改めて思う。

小豆島のフェリー乗り場で捕まりながら希和子は叫ぶ。

「待って。その子は、まだ、朝ご飯を、食べてないの」

母親でなければ出て来ない言葉だ。

作者はどうしてこんなことを知っているんだろう。深い。

最後の方で「薫。待って、薫」と言う喜和子の姿にも涙がこぼれそうで困った。



人は子供を育てながら親になっていくけれど、全ての人が親になれるわけではない。

産んでも親になりきれない人もいるし、産めなくても親になる人もいる。

親子とは「血」ではなくて「歴史」であると思った。

家族とは何か、絆とは何か、そんな問いを投げかけられたような読後感。

引きずるように読み返す第一章の行間からは、切ないほどの愛が溢れていた。






 愛をください
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生ぬるい目で娘を見たら、うざがられた(--)




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by bera-sakuraebi | 2011-02-22 00:00 | | Comments(4) *
2011年 02月 17日 *
1995年、西宮。

父の通夜の翌朝起きた未曾有の大地震。

混乱の中、叔父を手にかけてしまう水原雅也。

ふと見るとそこには美しい女が立っていた・・・。



「白夜行」に続き「幻夜」をイッキ読みしました。

お陰さまで実家に帰る新幹線の早いこと早いこと。

3時間が30分に感じられたほど。

早く続きが読みたくて大丸でのお買い物をすっ飛ばしちゃいましたもん。



今回の「幻夜」は以前BSで観たこともあって割と軽い気持ちで取りかかったものの

途中から全然別物と思い直して老眼鏡メガネを正す。

「白夜行」との違いは、前作が主人公二人の心理的なものが見えないまま

他者からの視点で語られているのに対し

「幻夜」は水原雅也の心理状況を中心に犯人側から書かれているという点。

今回は美冬がどんな風に男を操るかエグイまでに見られます。



叔父殺しという暗い過去を引きずる雅也は

美冬の言うがまま次々と犯罪に手を染めて行きます。

要するに「白夜行」での亮司の役を押し付けられているわけね。

でもって「あたしらの幸せのためや」という言葉の向こうにある未来を夢みるわけですが

そんなもん当然ありまへん。

「あたしらは夜しか歩けないんや」というようなセリフで雅也を縛る美冬ですが

亮司と違いまっとうな家庭でまっとうに育った雅也には

どん底まで落ちてもなお「良心」がありました。

そして雅也は自分が幻の夜を見ていたことに気が付きます。

そうなると当然ここまで自分を追い込んだ美冬

「あの女の全てを知りたい」・・・となるわけです。

ここに加藤刑事が絡んでくる。

BSでは加藤の妻をも死に追い込む美冬ですが、原作では加藤は独身です。

妻なんて出て来ないし後輩の刑事も死んだりしません。

ある意味美冬の魔力に魅せられてしまった加藤は

雅也と時を同じくして美冬の過去を執拗に洗い始めます。

「あの女の化けの皮を剥がしてやる」

当然そこには本物の新海美冬が浮かび上がって来ます。

で、「あの女は誰だ?」となる。



そしてラスト。



は?


それって・・・アリ?




美冬に都合の悪い人物は全部消えちゃうんです、この世から。

ええ、きれいさっぱりと。



ま、続くんでしょう。

続いてもらわなきゃ消化不良でいけません、読者は(--)/



それにしても数えちゃったのが美冬の歳。

おい、そりゃサバ読み過ぎだよってなくらい読んでますから。

そんだけお金をかけてるんだろうし素もいいんだろうけどさ(ふん)

今もし生きてたら、てか存在してたら美冬とアタシは同年代。

どんだけ整形を繰り返しているんだろう?(羨ましい)





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男を操るのは女




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by bera-sakuraebi | 2011-02-17 15:31 | | Comments(0) *
2011年 02月 06日 *
イマイチ苦手だった東野圭吾、「秘密」でギブアップしたまま手つかずの作家だった。

彼の書く女性がどうしても好きになれない。

感情移入が出来ないってのがその理由だったが

ネットのお友達に触発されて「聖女の救済」を読んでから

ちょっとだけベクトルが振れた。

ちょびっとガリレオも齧ってみた。

そこへBSの「幻夜」である。ハマった。

深キョンの美冬が予想外に良かったせいもある。

こりゃ原作を読まなきゃなって気になってきたところへ「白夜行」の番宣。

あちこちで流れていてイヤでも目に入って来る。

しかも「幻夜」は「白夜行」の続編だとゆーではないか。

だけど深キョン=堀北真樹はイメージ違い過ぎ。

深キョンが演じた美冬のあの冷酷で残酷な美を堀北真樹で表現できるのか

疑問になってきた。

世間的にも自分の中でも流れは完全に東野圭吾である。

読まねばなるまい。

ってことで「白夜行」、読みました。

素晴らしく分厚い文庫本に腰が引けそうになったけど3.5日で読了。

久々にのめり込んだ一冊です(ネタバレごめん)





始まりは1973年、大阪で起きた質屋殺し。

何人もの容疑者が捜査線上に浮かぶものの

決定的な証拠がないまま事件は迷宮入りになる。

その後、被害者の息子桐原亮司と容疑者の娘西本雪穂はそれぞれの人生を歩み出す。

雪穂は親戚の家に引き取られお嬢様として何不自由なく育ち

その美貌と明晰な頭脳で周囲の目を集めるが、妬みから悪質な噂を立てられる。

そしてある日、噂を立てた者は痴漢事件に巻き込まれ心に深い傷を負う。

一方亮司は恵まれない環境の中で育つものの理系の頭脳はずば抜けて優秀。

中でもパソコン関連の知識は並はずれていた。

が、その知識を良からぬ者たちに利用されて闇に沈んで生きて行くことになる。

そして二人の周囲には次々と不可解な事件が起きる。

彼らに関わった人たちは大なり小なり必ずと言っていいほど不幸な目に遭うのだ。

そんな中、かつて桐原の父親の事件を担当した刑事は執拗に二人を追う。



物語は表面上決して交わらない亮司と雪穂二人の人生を

それぞれ関わりのある人物何人かの視点から語られて進んで行きます。

当然登場人物は多く、前半は多くの伏線が張られていて気が抜けません。

読み進むうちに見えそうで見えない二人の関係がぼんやりと浮かんできます。

「・・・!」と思い始めたのは雪穂の家庭教師が登場してくる辺りから。

雪穂の障害となる人物は面白いように彼女の人生から排除されていくのです。

そして雪穂はその類まれなる美貌と賢さによってのし上がって行く。



この中に主人公であるはずの二人の心情は一切出て来ません。

二人がどのように知りあって、どのように連絡を取り合って

どのようにして犯行を行ったのかというようなことさえも出て来ません。

読者は周囲の人の言葉によって推察することしか出来ません。

その中で唯一感情らしきものを表わしているのが

「あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。

太陽に代わるものがあったから。

太陽ほど明るくはないけれど、あたしには十分だった。

あたしはその光によって夜を昼と思って生きてくることができたの」

という雪穂の言葉。「白夜行」の原点です。

雪穂にとって亮司は彼女の人生を歩く上で唯一無二の光だったのでしょう。

多分この二人には、というか少なくとも雪穂には恋愛感情以上のもの

肉親を超えた強い絆があったと思われます。

愛とか夢とか家族とかモラルとか、およそ世間の常識なんか遥かに超えた絆です。

片や亮司には多少なりとも雪穂への恋愛感情があったのではないか。

それは彼の肉体の上に悲しい縛りとなって表れているように思いました。

勝手に想像したんですけど・・・(--)



ラストで張り巡らされた伏線が一気に解け

19年前の事件の謎が明かされますが、これが悲しい。実に悲しい。

悲劇としか言いようがありません。

雪穂も亮司も加害者でありながら最大の被害者であると思いました。

絶望の中、暗闇の中を歩く時

お互いの存在、その絆の強さはどれほど力になったことか。

一人では不可能であったろう事件の数々。

被害に遭った人たちには申し訳ないけど

美冬にとって亮司が、亮司にとって美冬がいて本当に良かったと思いました。



それにしてもこの救いのないラスト。

読者は完全に置き去りです・・・( ̄■ ̄;←こんな感じ

ま、これが「幻夜」に繋がるんでしょうけどね。



東野圭吾、再発見(今さら)

嫌っていて、すんまそん( ̄▽ ̄ゞ






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食わず嫌いはいかんね




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by bera-sakuraebi | 2011-02-06 14:32 | | Comments(14) *
2010年 10月 24日 *
夫が居ない夜は

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目が腐るほど本を読む(お約束)。

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児童虐待、暴行、殺人、エトセトラ

危ない世界に散々遊び

ふと鏡を見ればそこにいるのは凶悪犯Σ( ̄□ ̄;)

あー眠い。

朝焼け見ながらPさん散歩。



「あら、タロちゃん早いねー(←このシトの中ではallワンコ=allタロちゃん)

いつ見ても可愛いこと(ナデナデ)

この辺で一番可愛いんでないかい?」

朝日をバックに向かいのばあちゃん

仏様に見えました(合掌)







目が腐ったかもしれない。




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by bera-sakuraebi | 2010-10-24 11:39 | | Comments(8) *
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